遺伝子検査を受けるときの注意点は?
あなた自身のDNAを検査するときはかならず来る。いますぐか、近い将来かの違いだけで。
23andMeのような大規模DNA解析サービスを直接消費者に販売していく会社が、日本でも今後増え、そして遺伝子検査を受けようと思う人も多くなるだろう。
そこで、このような遺伝子検査を受ける前に知っておいて欲しい注意点をまとめてみた。(2014年3月現在)
❶消費者直販の遺伝子検査で検出可能な遺伝的リスクは、病気を発症させる要因として小さい。しかし、あなたの遺伝的リスクが母集団の上位数%に入るような結果が出る可能性がある。
❷一般的に、あなたの家族歴を考慮した検査結果になっていない。実際はあなたの家族歴は重要で、あなたの家族歴とあわせて検査結果を判断する必要がある。検査結果を判断する際、あなたのかかりつけ医やパーソナルゲノム専門医に相談して欲しい。
❸『よくある病気』*-1の多くは、未だ遺伝子との関連性が完全に解明されていない。今後、新たな遺伝子情報が明らかになったときは、遺伝的リスクの見直しが必要となる。
*-1 よくある病気
糖尿病や心臓病、癌、喘息、関節炎、アルツハイマー病など、人類に共通して出る病気全体を指す。多数の遺伝子が影響し合って病気を発症させる。特定の家系や集団だけにみられる病気と区別するための用語。
❹ DNA解析の結果の解釈は各社で共通しているわけではない。遺伝子と病気のリスクの関連(臨床妥当性)について確立されていないものがある。
❺病気によっては、予防法が確立していないものがある。検査を受けることでかえって不安になることもある。
❻検査結果をほかの人に知らせるかは慎重に考える必要がある。日本では遺伝子情報の取り扱いに関して法律による規制はなく、社会的不利益を被る可能性がある。
以上のことをふまえて検査をするかどうか決断してほしい。
また検査をうける前に遺伝カウンセラーやパーソナルゲノム医療専門医に相談してもいいかもしれない。
(参考)
さぁ、あなたも遺伝子検査を受け、パーソナルゲノム医療専門医に相談し、パーソナルゲノム医療を始めよう!