『パーソナルゲノム医療』時代のはじまり

個人個人の遺伝子を解析し、それぞれに適した医療をする時代がすぐそこに

パーソナルゲノム医療学会の設立

23andMeの遺伝子検査サービスに感動したことをきっかけに、

日本でも遺伝子検査を広めたい、そしてその結果を医療に活かす時代(パーソナルゲノム医療の時代)を実現したい、そう思うようになった。

 

(前回の記事)

アンジェリーナと23andMeの衝撃

23andMeの科学的根拠および遺伝情報の海外流出

 

 

そのために本質的に何が大事なのか、必要となる仕組みはどういうものだろうか?

 

まず大事なものは以下の3つだと思う。

①正確なDNA解析をする研究所(解析妥当性

②科学的根拠にもとづいて、遺伝子と病気のリスクの関連を評価するところ(臨床妥当性

③実際に遺伝情報を健康のために役立てるところ(臨床有用性

 

現状はそれぞれの遺伝子検査会社が①と②を独自に提供している。このため同じ病気のリスクが遺伝子検査会社によって異なることがある。本当に検査結果が科学的根拠にもとづいているのか、外部の批判的な意見も考慮しているのだろうかと感じる。

さらに検査後、③をうたって健康食品やサプリメントを販売しているところもある。

 

このままでは検査をうけた人たちが困惑したり、不安を感じたりするのではないだろうか。極端な情報によって健康被害が生じるのではないだろうか。

 

 

これらの問題を解決するためには、①、②、③をそれぞれ役割分担することが重要だと考えた。

(下図はそのイメージ)

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遺伝子検査会社は、DNA解析を正確にすることが最も重要である。

そして検査を受けた人にDNA配列のデータを提供する。そのDNA配列を読み込むことによって、病気のリスクや体質の特徴などを臨床妥当性にもとづいて、わかりやすく伝えるインターネット上のサービス、アプリなども必要になる。

 

 学会は、医師や研究者によって遺伝子と病気のリスクとの関連を公開で議論し、科学的根拠を積み上げていく。そしてその内容を遺伝子検査会社が等しく利用できるようにする。それと同時に、医療従事者にその情報を伝え個人個人が遺伝子の違いにもとづく医療を受けられるように普及活動、教育していく。

 

医療機関は、遺伝子検査をうけた人が実際に健康のために役立てるための協力をする。また、実際の臨床結果にもとづく情報を集め学会で発表する。

 

 

私の考えていることを実現する学会の設立について、知り合いに相談してみた。

 

『そんなことできるはずがない』『権威ある人や既得権団体から猛反発をくらう』など批判的な意見が多い中で、『学会をつくろう!』と賛同する人がいてくれた。

そこでパーソナルゲノム医療時代を実現するため、我々の使命として、

 

2013年12月『パーソナルゲノム医療学会』を設立した。

 

 

いざパーソナルゲノム医療学会の設立を宣言してみると、続々と賛同者が学会に入会してくれている。

ご協力、ご支援くださっている皆様、企業の方々に感謝です。