『パーソナルゲノム医療』時代のはじまり

個人個人の遺伝子を解析し、それぞれに適した医療をする時代がすぐそこに

因果関係(単純系)と相関関係(複雑系)

単純系と複雑系の違いを意識しておくことは重要だと教えられた。

 

単純系とは、原因と結果がはっきり分かる世界である。

複雑系とは、相互に関連する複数の要因が合わさって全体としてなんらかの性質になる世界であり、個々の要因からはその性質を明らかにできない。

 

世の中で単純系で説明出来る事象というのは限りなく少ない。

けれども暗記中心の学校教育の影響か、世の中単純系で、つまり原因と結果で理解しようとする人、因果関係を求める人が圧倒的に多い。

 

例えば、

本来複雑系であるはずの経済を、経済学は単純系で予想しようとしているので、経済的予言はまったく当てにならない。ノーベル経済学賞を受賞した人たちが集まって資金を運用したファンドも破綻してしまう。

 

つい最近では、円安&インフレ(原因)になれば、景気がよくなる(結果)というのも単純系に基づいた理論だ。

実際には、現在の日本の様々な状況を考慮にいれたうえで、円安&インフレという要因と景気回復という要因の相関関係は○○%ぐらいになるだろうというのが、複雑系の考え方だと理解している。

 

 

医療の世界でも単純系と複雑系をわけて考える必要があると思う。

 

医療の世界で単純系で説明できるものとして遺伝病があげられる。

遺伝病では、特定の遺伝子変異(原因)が遺伝病(結果)を引き起こしている。特定の遺伝子変異が病気の決定因子因果関係あり)となっているのでわかりやすい。

 

しかし、それ以外は複雑系として理解すべきだろう。糖尿病などの生活習慣病、癌、認知症などのよくある病気は、原因と結果、因果関係を知ることは難しい。

 

そのかわりに病気の危険因子相関関係を理解して予防につなげている。

 

 

例えば、

かつて脳卒中は日本人の国民病と呼ばれるぐらい多い病気だった。

そこで大規模な疫学調査が行われ、高血圧が脳卒中の最大の危険因子(相関関係あり)であることがわかった。

 

 もちろん、高血圧の人全員が脳卒中になるわけではない。また、高血圧ではない人も脳卒中になる可能性がある。 

 

(例)

× 高血圧が脳卒中の原因だ。 (因果関係の誤謬

○ 高血圧だと脳卒中のリスクが上昇する。 (相関関係

 

脳卒中の危険因子が高血圧である(高血圧と脳卒中に相関関係がある)とわかったことで、血圧を厳密に管理し始めた。具体的には食事の塩分を控え(減塩)、降圧剤治療をしたのだ。

そして脳卒中は激減した。

 

 

このことから学べることは、因果関係がわからなくても、相関関係を知ることによって病気を予防出来るということだ。 

 

私たちが目指すのは、遺伝情報(ゲノム)や生活習慣などの環境と病気の相関関係を調査して、個人個人に合わせた予防医療を提供できるようにすることだ。

 

そしてそれが実現出来るほど、現在の情報科学技術、テクノロジーが急速に進歩している(と思う)。その一つがビックデータだ。膨大な情報の集積であるビックデータこそが、正確な相関関係を示してくれる。

 

パーソナルゲノム医療を実現する第一歩として、ゲノムビックデータを構築しよう!

 

 

 

 

 

 

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