『パーソナルゲノム医療』時代のはじまり

個人個人の遺伝子を解析し、それぞれに適した医療をする時代がすぐそこに

MYCODE 体験記No1

DeNAライフサイエンスが提供する一般消費者向け遺伝子検査『MYCODE』が8月12日よりサービス開始しているので、早速Amazonオールインワン280+に申し込んでみました。

 

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数日でおしゃれなロゴが目立つ箱が届きました。

内容物は全8点

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おまけ!?で唾液を出しやすくするためのレモンの写真カードも付属。

小さな心配りが細部に宿っていて嬉しい。

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注意事項を確認してMYCODEのウェブサイトで会員登録。

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会員登録が完了したら、マイページで検査コードを登録。

『遺伝子検査申込書 兼 同意書』の右下に貼られたシールの数字と電話番号を入力。

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登録が完了するとアンケートをすすめられます。

アンケートはたくさんあるので一度に全部答えるのは難しいので優先順位の高いものだけ答えました。

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次に 『遺伝子検査申込書 兼 同意書』に記入。

研究へのご協力のお願いの項目があり、ヘルスビッグデータを作成するために使用するとのこと。ビッグデータの構築こそが重要だと感じているので同意するにチェック。

 

最後に唾液を採取。

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唾液を採取したら、透明パックにいれます。

 

返送用封筒に以下の2点をいれて郵便ポストに投函。

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送料はDeNAライフサイエンスが負担してくれます。

どんなサービスが受けられるか楽しみです。

 

 

 

 

第2回パーソナルゲノム医療学会開催

 2014年8月2日ハイアットリージェンシー大阪で

『第2回パーソナルゲノム医療学会』を無事開催することが出来ました。

 

討論の内容は、

①パーソナルゲノム医療学会は遺伝子検査が根拠としているデータの妥当性を議論する場であること。

②遺伝子検査会社とコンタクトをとり、引用論文を含めた科学的根拠について開示をお願いし、パーソナルゲノム医療学会との共有をお願いする。それを基に討論を重ね、遺伝子検査の臨床有用性を高めていく。

③遺伝子検査会社を全面的にバックアップしていく。

④近い将来、データを共有した遺伝子検査会社の遺伝子検査を提携医療機関の健康診断に導入していく。

 

 2014年8月の時点で最も信頼性の高いと感じているのが、DeNAライフサイエンス社のMYCODE。東京医科学研究所が科学的根拠について指導しているのが特徴。

 まずはこことコンタクトを取り、協力関係を築いていくことを決定。

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 質の高い遺伝子検査を推進することで、パーソナルゲノム医療の早期実現を達成しよう!

 

 

 

HealthData Lab 〜みんなの”からだデータ”が日本の健康をつくる

HealthData Labは、Yahoo!Japanが運営する会社。2014年秋からサービスを開始する予定。

多くの人のデータ(ビックデータ)を統計学的に解析しそれぞれの体質に合った病気の予防法・治療法のエビデンス(根拠)を目指している。

 

 

①申込方法      ホームページで無料先行モニター募集中 

②検査方法      郵送 (唾液採取キットに唾液をいれて送り返す)     

③検査内容      約5000SNP (約5000種類の遺伝子)

④判定項目      100項目 (病気のリスクや体質)

⑤結果報告      Web上で (ID登録してログイン)

⑥個人情報保護    YAHOO!JAPANのプライバシーポリシーに準ずる

           NPO法人個人遺伝情報取扱協議会に加盟

⑦倫理規約      不明

⑧解析妥当性     GenequestCSPro認証&CAP認定)が検査を代行すると思われる

⑨臨床妥当性     不明

⑩臨床有用性     Web上で予防のためのアドバイスあり

           (科学的根拠は不明)

⑪遺伝カウンセリング 無 

⑫価格        無料

 

 

【コメント】

5000名のモニターのデータを集めて研究し、その解析結果を日々アップデートしていく。パーソナルヘルスデータ(活動量など)やお薬手帳との連携も視野にいれている。

どのように科学的根拠を積み上げ、判断し、提供していくのか注目する価値あり。 

 

 

【画像サンプル】 

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Signpost

Signpostの遺伝子検査は、大阪大学医学部とOMRFIT STUDY(Study of Order-made multiple Risk Factor Intervention Trial)の研究成果に基づいて開発している。医療機関で検査及び結果の説明、体質にあったアドバイスを受けられるのが特徴。

3種類の遺伝子検査がある。

・運動&栄養プログラム

・動脈硬化リスク判定

・糖尿病合併症リスク判定

 

 

【運動&栄養プログラム】

①申込方法      提携医療機関に申し込み 

②検査方法      約2mlの採血もしくは口腔内粘膜の採取

③検査内容      50SNP (50種類の遺伝子)

④判定項目      生活習慣病に関する12の体質 

⑤結果報告      提携医療機関の医師が説明

⑥個人情報保護    「JIS Q 15001」に準拠 *1

⑦倫理規約      有

⑧解析妥当性     不明 

⑨臨床妥当性     アジア人を対象とした総計6000症例を基に評価                 関連文献

⑩臨床有用性     提携医療機関で体質にあった生活習慣アドバイスが受けられる

⑪遺伝カウンセリング 無 (提携医療機関による)

⑫価格        提携医療機関によって異なる (27300円以上)

 

*1

JIS Q 15001(個人情報保護に関するコンプライアンス・プログラムの要求事項)とは、組織が扱う個人情報の使用目的を明確にし、個人情報を提供する主体の権利を適切に保護することを目的とした財団法人 日本規格協会により発行されている日本工業規格です。

 

【コメント】

健康保険組合において、遺伝子検査とその内容の説明会を実施し、健康意識の向上や健康作りの実践に役立つことが確認されている。

判定項目は12項目(画像サンプル参照)と限られている。

 

 

 

【画像サンプル】 

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HealthData Lab 無料先行モニター募集中

Yahoo! Japanが運営するHealthData Labが無料先行モニターを募集していたので、

応募してみた。

 

 

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Genequestと遺伝子解析で連携し、スマートフォンタブレットを介して生活を改善するサービスを開始すると報道されていたが、その最初の一歩になるのだろうか。 

 

ゲノムと環境要因との相関関係を調べることが現実のものとなり始めたことに感動。

 どのようなサービスになるのか内容が分かり第報告するのが楽しみだ!

 

 

Genequest(ジーンクエスト)

Genequestは、2014年1月にスタートした日本初の個人向け大規模遺伝子検査サービス。Web上で申し込み、唾液を採取して送り返すことで遺伝子検査を受けられる。Web上で結果を確認でき、最新の研究結果を随時Web上で個別に追加してくれるのが特徴。

 

①申込方法      Genequestのホームページから

②検査方法      郵送 (唾液採取キットに唾液をいれて送り返す)

③検査内容      5000SNP (5000種類の遺伝子)

④判定項目      200項目 (病気のリスクや体質など) 

⑤結果報告      Webで (ID登録してログイン)

⑥個人情報保護    有 (ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針)

⑦倫理規約      有

⑧解析妥当性     CSPro認証&CAP認定 *1

⑨臨床妥当性     参考文献を検査項目毎に記載

⑩臨床有用性     無 (医療機関との連携などはない)

⑪遺伝カウンセリング 有 (お問い合わせより相談可能)

⑫価格        49800円

 

 

【コメント】

ヤフーのスマートフォンを利用したヘルスケア部門と連携し、遺伝子解析データと組み合わせて生活に関するアドバイスをする予定。

現在(2014年6月時点)で約500名の方が利用している。 日本国内で個人が直接受けられる遺伝子検査の中では信頼性及び品質が最も高いと思う。

 

 

 

*1

※CSPro認証
CSPro(Certified Service Provider)認証とは、Illumina社の受託サービス機関認証プログラムであり、遺伝子解析において高品質のデータを提供する受託サービス機関とIllumina社のパートナーシップを意味します。CSPro認証の受託サービス機関では、イルミナシステムを用いた高品質で安定したデータが約束されています。

※CAP認定
CAP(米国病理学会)認定とは、臨床解析ラボの解析、査察を通じて、対象システムの技術水準を認定するもので、遺伝子解析が十分な信頼性でアメリカの食品医薬品局(FDA)にも提出できる技術水準であることを証明するものです。

 

【画像サンプル】 

 

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人類皆キャリア

遺伝子検査が徐々に身近な存在になりはじめている。

 

そんな中、積極的に遺伝子検査をして将来の病気にならないように予防しようとする人がいる一方で、遺伝子検査をすることで何か重篤な遺伝子の欠陥が見つかったらどうしようと心配される方もいる。

 

その心配は至極もっともであるが、重大な事実を見落としている。

この世に存在する人で遺伝子の欠陥のない人はいないということだ。つまり人類すべてがなにかしらの遺伝的欠陥を持っている、人類皆キャリアなのだ。

 

具体的には、

常染色体劣性遺伝による病気は、1万人から10万に1人の割合で起こることが多い。例えば4万人に1人と大変稀な病気であっても、キャリア(保因者)の頻度は100人に1人である。

常染色体劣性遺伝の病気は700種類以上知られているが、キャリアの頻度を仮に100人に1人とすると、平均して1人あたり常染色体劣勢遺伝の病的遺伝子を約6〜7個もっていることになる。(少数ではあるけれどもまったくキャリアでない可能性もある)

 

糖尿病などの生活習慣病や癌、心臓病や認知症など「よくある病気」と関係する病的遺伝子の場合、さらにこの数は途方もなく多くなる。

 

大切なことは人類皆キャリアであるという事実に基づいて、個人個人が病気に対する遺伝的脆弱性を正しく理解し、それぞれが病気にならないように予防していくことだと思う。

 

もちろん遺伝子検査をすればなにかしらの遺伝的欠陥がみつかるだろう。

あなたに遺伝的欠陥があっても精神的に落ち込む必要はない。また遺伝的欠陥があるからといって他者を差別することも無駄である。

 

 

多くの人が遺伝子検査を安心して受けるようになり、その結果をもとに病気を予防する時代がくることを願ってやまない。