運動と海馬の大きさ 〜スニーカーでアルツハイマー病を予防しよう!
スニーカーでアルツハイマー病を予防しよう!
「えっ、スニーカーで?」という声がきこえてきそうだが、薬による治療以外にも病気を予防する方法がある。
高血圧、糖尿病などの生活習慣病に運動がよいということはみんな知っている。実はアルツハイマー病の予防にも運動がよいということが証明されはじめているのだ。
2012年の国際アルツハイマー病学会(AAIC2012)で、ピッツバーグ大学のエリクソン博士らが、『運動は海馬を大きくし、記憶力を改善する』と発表した。
(原文:Exercise training increases size of hippocampus and improves memory)
椅子に座っていることが多い(日常あまり体を動かさない)高齢者120人を、
①1回につき40分間歩くことを週3回するグループ
②ストレッチのみのグループ
に無作為に振り分けた。そして運動の前後で、MRI画像による海馬の大きさを1年間しらべ続けた。
結果は、1回につき40分間歩くことを週3回するグループは1年間で海馬が2%大きくなっていた。
海馬は記憶に関係する脳の領域で、健常でも1年間で約1%ずつ小さくなり、年齢とともに新しいことを覚えるのが難しくなる。
アルツハイマー病ではこの海馬が加速度的に小さくなっていくことが特徴である。(参考:30代からはじまる脳の変化 〜家族性アルツハイマー病)海馬が極端に小さくなってしまう(海馬の萎縮)と『いましたこと』や『さっきみたもの』もすぐに忘れてしまう。
小さくなってしまった海馬を大きくすることは現在の医学では不可能である。その海馬が運動で大きくなるのだ。
運動で記憶力が、物忘れが回復する という発見は画期的だと思う。そしてアルツハイマー病を予防できるかもしれない。
あなたは記憶をよくする薬ができるのを待ちますか?それともいますぐできることをしますか?
いますぐスニーカーをはいて、ちょっと早足で散歩してみよう!
(参考)