『パーソナルゲノム医療』時代のはじまり

個人個人の遺伝子を解析し、それぞれに適した医療をする時代がすぐそこに

テロメアと寿命

細胞を健康に保ちたいなら、細胞のDNA指示書を大切に守る必要がある。

そこにエラーが一つでも入り込めば、老化のプロセスは加速する。

DNAをなるべく無傷な状態のまま保つのが、いつまでも若くいられる秘訣のようだ。

  〜 遺伝子医療革命―ゲノム科学がわたしたちを変える より

 

 

人のほとんどの細胞は分裂できる回数に限りがある。

これは染色体の末端にあるテロメアが深く関係している。人のテロメアはTTAGGGの塩基配列が約1万塩基繰り返されている。

 

細胞が分裂するときにDNAが複製されるが、テロメアの末端は一部複製されず、失われていく。細胞分裂のたびにテロメアは次第に短くなっていくのだ。事実、様々な年齢の人でテロメアの長さを比較すると、 年齢と共にテロメアの長さは短くなっていることが確認できる。 

 

テロメアが短くなって5000塩基くらいになると、その細胞のゲノムは不安定(細胞寿命)になり、ついには細胞死(アポトーシス)を促す指示がでる。

細胞は規定回数だけ分裂したら、寿命に達するのである。

 

最近のスウェーデンの双子の研究では、テロメアの長さは遺伝子と環境の両因子で決まることが示された。また、白血球細胞のテロメアの長さは、その人に予想される寿命と相関関係があるというデータが報告されている。

 

驚きなのは楽観主義な人ほどテロメアが長いという研究報告があったことだ。自分は長生きするはずだと信じていれば、本当にそうなるかもしれない。検証の必要性はあるが、面白い仮説だと思う。

 

年をとっても細胞を若々しく健康に保つために、テロメアの摩耗を少なくすることが重要だ。

 

 

(参考)

遺伝子医療革命―ゲノム科学がわたしたちを変える

 

さぁ、あなたも遺伝子検査を受け、パーソナルゲノム医療専門医に相談し、パーソナルゲノム医療を始めよう!

 

日本パーソナルゲノム医療学会