『パーソナルゲノム医療』時代のはじまり

個人個人の遺伝子を解析し、それぞれに適した医療をする時代がすぐそこに

【見えない腰痛の治療】 『筋肉』からの腰痛を根本から治す

見えない腰痛の原因は、4つに分類されます。

その1つが筋肉からの腰痛です。

《参照》

腰痛の大部分は『見えない腰痛』 〜見えない腰痛は自分で治そう!

 

 

この筋肉からの腰痛の原因となっているのは、脊柱起立筋と呼ばれる筋肉です。

脊柱起立筋に疲労物質がたまることによって、痛みが生じています。

 

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◉ではなぜこの脊柱起立筋に疲労物質がたまるのでしょうか?

 筋肉は主に浅層筋(アウターマッスル)と深層筋(インナーマッスル)とに分けられます。

 

浅層筋(アウターマッスル)は、体の表面から触れられるところにあります。代表的なのが大胸筋や三角筋大腿四頭筋で、脊柱起立筋も含まれます。

浅層筋は、体を動かすという役割があり、短時間に強力な力を発揮する能力に長けています。逆に持久力はありません。

 

深層筋(インナーマッスルは、体の深いところにあり、基本的に触れられないところにあります。代表的なのが棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋などです。深層筋の中で、腹横筋多裂筋が腰痛に関連しているといわれています。

深層筋は、体(関節)を安定させるという役割があり、長時間、小さな力で働き続ける能力に長けています。その反面、強力な力を発揮することはできません。

 

 

腰を安定させている腹横筋多裂筋などの深層筋の働きが、加齢や運動不足などで低下してくると、本来は体を動かす役割の浅層筋である脊柱起立筋が体を安定させるために使われます。

 

脊柱起立筋は、 長時間、小さな力で働き続けるのは苦手なため、筋肉に疲労が蓄積してしまいます。

この疲労物質が筋肉からの腰痛の原因となります。

 

筋肉からの痛みを根本的に治すためには、腰を安定させている腹横筋と多裂筋を鍛えることです。

 

 

◉腹横筋を鍛える方法

腹横筋はちょうど腰のまわりにコルセットのように存在している筋肉です。

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この筋肉を鍛えるためにもっとも簡単な運動がドローインです。

 

仰向けに寝て、背中を床に押し付けるように、息を吐きながら、お腹に力をいれて凹まします。

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1日1〜2回10秒程度から試してみてください。

この筋肉がしっかりしてくると、腰痛が改善するだけでなく、体のバランスがよくなり、立ち上がりや歩くことが楽になります。

 

 

◉多裂筋を鍛える方法

腹横筋がしっかりしてきたら、今度は多裂筋も鍛えてみましょう。

多裂筋は、椎骨を1つ1つ安定させている筋肉です。

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 多裂筋を効果的に鍛えることが出来る運動は、少々きついですが、ハンド・ニーです。

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出来たら今度は左右反対で行います。 

 

深層筋が弱っていると、ハンド・ニーは難しいかもしれません。もし難しいようでしたら、まずは腕だけ、脚だけで始めてみてください。

 

毎日続けていると、だんだん深層筋がしっかりしてきて、できるようになるはずです。

 

《参考図書》

 

 

腰痛の大部分は『見えない腰痛』 〜見えない腰痛は自分で治そう!

腰痛で病院に行ったけど、

痛み止め湿布で様子をみるだけでなかなか治らない・・

 

このように腰痛で悩んでいる方は多いのではないでしょうか?

 

私自身も腰痛で受診された方に対して、整形外科に紹介する必要があるかどうか(手術適応があるか)を判断して、紹介する必要がなければ、基本的には痛み止め湿布を渡すだけでした。

 

そして痛み止めが切れる頃に、また腰痛が悪化して受診されるという状況に、痛み止め&湿布以外に、根本的に治療する方法はないものかと感じていました。

 

そんな中、

この腰痛に対する痛み止め&湿布以外の根本的な治療を実践している、整形外科である、スポーツドクターの金岡恒治先生の著書、

 

腰痛がス~ッと消える 1日1分から!原因別運動療法 

 

に出会いました。

 

衝撃を受けました。

(是非腰痛にお悩みの方は一度読んで、実践してもらいたいと思います。)

 

 

 

その本の中で腰痛は大きく、『見える腰痛』『見えない腰痛』に分類されています。

 

整形外科で治療する領域は、見える腰痛です。

見える腰痛は、レントゲンやMRIなどの画像検査で骨や椎間板に異常が見えるケースです。

これらは治療法や手術が確立されているので、整形外科でしっかりと治療をうけましょう。

 

治療が難しいのは、見えない腰痛です。

見えない腰痛は、画像検査では骨や椎間板に異常が見えないケースです。

根本的な原因がわからないので、現状は基本的に痛み止めや湿布を渡すだけになっています。

 

しかしながら、腰痛の大部分が見えない腰痛です。

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そこでこの見えない腰痛を、

画像診断ではなく、腰痛の仕組みを考え、状況証拠を揃えて、根本原因を特定し、 原因に則した運動療法で、改善していこうとしています。

 

金岡恒治先生は、スポーツドクターとして、アスリートの腰痛を改善させるために、腰痛に関するさまざまな知識を得て、見えない腰痛の根本原因を導き出されました。

 

『見えない腰痛』を状況証拠で診断すると、4つの原因に分類されるようです。

①椎間板、②椎間関節、③仙腸関節、④筋肉その他です。

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そして4種類の見えない腰痛、その原因毎に治療する方法が説明されています。

整形外科的な知識は乏しいですが、その内容に納得できます。

 

私自身の腰痛は、状況証拠から『椎間板』が原因の腰痛と診断し、運動療法を試してみました。

 

試したところ、趣味のテニスをすると腰痛が出現していたのが、

最近、まったくといっていい程、痛みを感じることがなくなりました。

 

腰痛に悩まれている方には、是非読んで欲しい1冊です。

 

 

 

 

 

ヒトパピローマウイルスによる子宮頸がんを予防しよう!

癌はある程度年を取ってから発症することが多い中、

若い女性に発症することが多いがんがあるのをご存知でしょうか?

 

そのがんは、子宮頸がんである。

最近は性交開始年齢の低年齢化により、若い女性の子宮頸がんが増加している。

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子宮頸がんの原因は、ほぼ100%ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因である。

HPVは性交渉によって感染し、性交経験のある女性は子宮頸がんになる可能性があり、注意が必要だ。

 

 

◉子宮頸がんの特徴

子宮頸癌の最大の特徴は、原因がはっきりしている為、早期発見可能な癌であるという点である。

どいうことかというと、がんになる前の異形性と呼ばれる段階で発見可能なのだ。

このため定期的な子宮頸がん検診によって、異形成の段階で発見することにより癌の発症を未然に防ぐことができる。

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しかしながら、日本(2011年)の子宮頸がんの検診受診率は24.5%※1と低い。

アメリカ(2011年)の子宮頸がん検診の受診率85.9%※2と比べると、その低さが際立っている。  出典 ※1、※2 OECD Health Data 2011

 

子宮がん検診はWHO(世界保健機関)に有効性が認められているので、婦人科で是非受けて欲しい。

 

 

 

◉ヒトパピローマウイルスワクチン

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは、ワクチンに含まれているタイプのヒトパピローマウイルス感染症を防ぎ、子宮頸がんなどの発症を予防してくれる。

ワクチン接種はHPVに感染してからでは遅いので、性交渉をする前に接種することが大切である。

 

ワクチン接種後の有害事象(慢性疼痛など)が報告されており、詳しくは産婦人科医に相談してください。

 

 

 

大腸癌は便の検査(便潜血)で早期発見しよう!

最も早期発見が簡単な癌は?・・・  それは大腸癌!

 

しかも大腸癌は早期発見すればほとんどが完治するといわれている。

 

近年、欧米風の食生活が広がり、

動物性脂肪の過剰摂取食物繊維の摂取不足により大腸癌は急速に増加している。

今後さらに大腸癌の早期発見が重要になってくるだろう。

 

 

◉大腸癌の特徴

ではなぜ大腸癌が早期発見しやすいのか。

それは大腸癌は大きくなった大腸ポリープにできるという特徴があるからだ。

基本的に小さなポリープに大腸癌は発生せず、直径が2cmを超えると大腸癌ができやすくなると考えられている。

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一般的にがんの初期症状をみつけることは難しい。

しかし、大腸ポリープは出血しやすいという特徴がある。このため、便に血が混じってないか(便潜血)調べることによって、大腸癌の可能性があるかどうかがわかるのだ。

 

大腸ポリープを直径2cm以下の状態で発見できれば、お腹を切らずに大腸内視鏡で完全に取り切れる可能性が高い。お腹を切らずにすめば体への負担も軽くすむ。

 

 

 遺伝的に若年齢で大腸癌になる家系の方以外は50歳以下で大腸癌になることは稀で、その後50歳を過ぎると徐々に大腸癌が増えてくる。

 

50歳を超えたら定期的に便に血が混じってないかを調べて欲しい。便潜血は簡単な検査でどこでも受けられるので、かかりつけ医に相談してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

 

 

肝炎・肝障害、それは肝臓の老化現象 

健康診断で肝機能障害(肝障害)と指摘されたことはありませんか?

 

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健康診断の血液検査には必ずといってもいいほど、

肝臓の酵素(肝酵素ASTALTγ-GTP)の項目が含まれている。

 

この肝酵素の数値が上昇しているということは、

なんらかの原因で肝臓の細胞がダメージを受け、死んでいる状態ということである。

その状態のことを医学的に肝機能障害(肝障害)と呼んでいる。

さらに肝臓のダメージがひどくなり、肝臓の炎症が起こると、肝炎と呼んでいる。

 

肝臓は予備能力が高く、正常肝臓を80%程度切除しても肝機能は正常に働く。

しかし、いくら予備能力が高いといっても、肝炎・肝障害の状態が長期間(10年〜30年)続くと肝臓が老化してしまう。

そして肝臓が老化してしまい、硬く(繊維化)なってしまった状態が肝硬変と呼ばれる。

 

肝硬変になってしまうと、

約70%前後の方が肝臓がんでお亡くなりになるといわれている。

 

 

肝炎・肝障害の恐ろしいところは、

自覚症状のないまま肝臓の老化が進行して、肝硬変になってしまうことである。

肝臓は、『沈黙の臓器』とも呼ばれているのだ。

だからこそ、健診診断で肝酵素を調べることが重要になってくる。

 

 

 

肝硬変の原因

肝臓が老化する、肝硬変になる原因のほとんど(90%程度)は肝炎ウイルスが占めている。

現在は輸血でC型肝炎ウイルスに感染することはありませんが、過去に輸血を受けた方がC型肝炎に感染している可能性がある。過去に輸血を受けた方は一度肝炎ウイルスに感染していないか確認して欲しい。

平成4年(1992年)以前に輸血(や臓器移植手術)を受けたことがある方については、 当時はHCVに汚染された血液か否かを高感度で検査する方法がなかったことから、C型肝炎に感染している可能性が一般の方より高いと考えられます。

出典:公益財団法人 ウイルス肝炎研究財団

 

肝炎ウイルス以外で肝臓が老化するのは、アルコール肥満である。

あなたはアルコールを飲み過ぎてはいませんか。また糖質、炭水化物を取り過ぎていませんか。 

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健康診断で肝酵素が上昇している場合、一度かかりつけ医か消化器内科専門医に相談してみましょう。

 

 

 

 

MYCODE 体験記No3

前回のMYCODE 体験記No2では、疾患発症リスクについて報告しました。

 

今回は体質とアドバイスについて報告します。

 

 

◉体質

体質をクリックすると、私の体質一覧が出てきました。

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肥満の指標(BMI)、体重、紫外線による肌の光老化、体脂肪率などの項目があり、

 

肥満の指標(BMI)    低い - 普通 - 高い

体重           軽い - 普通 - 重い

紫外線による肌の光老化  影響が小さい - 普通 - 影響が大きい

体脂肪率         低い - 普通 - 高い

 

のように3種類の結果があり、いづれかにチェックがされています。

 

表示されている項目の1つ、肥満の指標(BMI)をクリックしてみると、

遺伝子型の説明、解析したDNA、項目の詳しい説明があります。

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◉アドバイス

アドバイスをクリックすると、

運動・生活、栄養素、食品・飲料ごとにアドバイスがありました。

 

運動・生活には、

・普段の生活に運動を取り入れよう

・ストレスを溜め込まないようにしよう

・睡眠習慣を改善しよう

とあり、それぞれアドバイスが表示されていました。

 

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普段の生活に運動を取り入れようの項目をクリックしてみると、

アンケートに答えた内容が反映されており、それに合わせて私自身の1日の消費エネルギーが計算されていました。

(目標より少ないのでもっと運動しないといけないですね・・・)

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栄養素には、

たくさんのアドバイスがあり、その一つ塩分の控えめな料理を心掛けようをクリックすると、塩分についての一般的なアドバイスがありました。

1日7.5gの塩分制限をすると良いみたいです。

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さらに画面を下にスクロールすると、塩分を控えめにするためのレシピが表示されていました。料理が得意な方にとってはいいですね。

(わたしは基本的に料理ができないので、ネコに小判の状態です・・・・)

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きめ細やかなアドバイスがあり素晴らしいと思いました。

その反面、そのアドバイスを日常生活にどのように取り入れていくのか、という課題もあるかなと感じました。

私自身はもう少し、運動する日を増やしていきます。

 

MYCODEの検査がきっかけで、少しでも健康になれるといいですねー。

 

 

 

くも膜下出血と脳の血管のこぶ(脳動脈瘤) 〜脳ドックのススメ

脳出血の中でも一番恐ろしいのがくも膜下出血

くも膜下出血は、一度発症すると約半数が生命の危険にさらされ、助かったとしても脳の障害により重篤な後遺症が残ってしまう。

日本では年間15000人もの人々がくも膜下出血で命を落としている。

 

私も研修医のときに、

『突然金属バットでガツン!と殴られたような激しい頭痛』

を訴えて、七転八倒されながら救急車で運ばれて来た方をくも膜下出血

と診断したのを記憶している。

 

そのくも膜下出血を引き起こす原因の一つが脳動脈瘤である。

動脈瘤とは、脳の血管にできたこぶで、このこぶは破れやすく脳の中の出血につながりやすい。

動脈瘤の原因は完全に解明されていないが、

生まれつき脳の血管に脆弱な部分があり、この部分に長期間血流が当たることによってこぶができるとされている。

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動脈瘤は、

健康成人の3%〜4%ぐらいがもっているのではないかと言われている。

これは健康な方を100人を検査したら、3人以上は脳動脈瘤がみつかるということである。

 

さらにUCAS-Japan によると、この脳動脈瘤が1年間に破裂する確率は1%程度と指摘されている。つまり、1年間で脳動脈瘤をもっている100人のうち1人が破裂するということである。

 

また脳動脈瘤の家族歴も重要である。

家族歴に脳動脈瘤よるくも膜下出血がある人は、その方も脳動脈瘤をもっている可能性が高いということがわかっている。

 

この脳動脈瘤によるくも膜下出血予防する唯一の方法は、

 

脳ドック

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を受けることである。

 

もしあなたの家族歴にくも膜下出血があったり、遺伝子検査で脳動脈瘤のリスクがあれば、一度脳ドックを受けてみてはいかがでしょうか?

 

 

 

【参考】

[40]脳血管のこぶ-脳動脈瘤||血管の病気|循環器病あれこれ|国立循環器病情報サービス