『パーソナルゲノム医療』時代のはじまり

個人個人の遺伝子を解析し、それぞれに適した医療をする時代がすぐそこに

ケトン食でアミロイドβが減る!? 〜アルツハイマー病を予防しよう

アルツハイマー病は脳の糖尿病の可能性がある。

(参照:危ない食後高血糖!! 脳の糖尿病からアルツハイマー病へ

 

ぶどう糖を主なエネルギーとしているはずの脳の神経細胞が、なんらかの理由でぶどう糖を利用できなくなることがある。そうなると脳はエネルギー不足で本来の能力を発揮できない。

 

ではそんなとき脳はなにをエネルギーにすればいいのだろうか?

 

そこで注目されているのが『ケトン体』である。

ケトン体はぶどう糖が枯渇し脂肪やたんぱく質をエネルギーとして利用するときに生じる。ケトン体は脳の関所(血液-脳関門)を通過することができるので、脳のエネルギー源にもなる。

 

実はこのケトン体がアルツハイマー病の予防&治療につながるというと驚くだろうか?

 

アルツハイマー病になりやすくしたマウスに、標準食(高炭水化物/低脂肪)とケトン食(低炭水化物/高脂肪)を43日間食べさせた研究がある。

その結果、ケトン食を食べさせたマウスの脳のアミロイドβが減少していたのだ。これはアルツハイマー病の予防につながることを示唆している。

(参照:アミロイドβの有無でアルツハイマー病を予測できるか?

 

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人でもケトン体がアルツハイマー病の治療に効果があるという医師がいる。米国の小児科医、メアリー・T・ニューポート医師だ。

ココナッツオイルに含まれる脂肪酸のほとんどが体内でケトン体となる。アルツハイマー病の食事療法として、ココナッツオイルを推奨しているのだ(科学的根拠は不明)。

若年性アルツハイマー病を発症した夫にココナッツオイルを食べさせたところ、すぐに症状が改善しはじめたそうだ。そして夫の認知機能の低下を食い止めることができているという。

 

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人の祖先は現代に至るまで狩猟採集で飢えをしのいできた。

炭水化物を毎日食べれるようになったのは、長い長い進化の過程からみると、ごく最近のことだ。高炭水化物食への変化に適応できないひとつの病気、それがアルツハイマー病なのかもしれない。

 

体内で飢餓の状態を作り出すケトン食(低炭水化物/高脂肪)を今一度見直してみる価値があるのではないか。